【はじめに】
開催レポートの冒頭に、Startup Weekend Osaka Space の歴史をご紹介させていただきます。
2020年2月に大阪で「宇宙」をテーマに「Startup Weekend Osaka Space」を立ち上げました。1回目はJAXA後援、2回目はJAXA、NASA後援、そして3回目の今回は、JAXA、NASA、内閣府の後援、となりました。このように、本イベントは開催を重ねる毎に関係者を増やし拡大進化してまいりました。さらに、今回は会場がPanasonic XC KADOMAのプレオープンイベントとなり、念願の本業務で勤める会社との共創も実現しました。パナソニック発祥の地、門真・守口の市民に開かれたオフィスというコンセプトで設計された新ビルでの社外に開かれた初のイベントという位置づけでもあり、これまでにない大きな構想で取り組むことができました。素晴らしく豪華なゲスト・ご協力者の皆様にお集まりいただき、また、イベントだけでなく様々な展示も楽しめるように企画しました。こうしてStartup Weekend Osaka Spaceの歩みを振り返りますと、1回目の開催直前からCOVID-19のパンデミックに見舞われながらも決して諦めずに対策をしながら継続し続けてきたことが、今日の進化に繋がってきたのかな、と感慨深く思います。
【ご参考】Startup Weekend インタビュー記事 ( https://founderscircle.jp/posts/fukumi )
【1日目 2023年4月28日(金)】
さて、いよいよこの日がやってきました。SWオーガナイザー&運営スタッフ(宇宙人クラブ)は朝から会場の設営準備、買い出し、関連部門との調整などに走り回ります。机や椅子を並べて、旗を立てて、展示物を陳列して、買い出しに走って、ぎりぎりまで入ってくる各種の問い合わせに対応して、と、あっという間に時が過ぎていきます。今夕18時の開場に間に合わせるためには運営スタッフはバタバタです。
あっという間に夕方になりました。続々と参加者の皆様がチェックインしてきます。
受付にて参加者の皆様に、お食事券を兼ね備えた参加証と記念Tシャツをお渡しします。
18時を過ぎて、さあ、パーティーが始まりました!
米国シアトル式起業体験プログラムStartup Weekend は、先ずパーティーから始まります。
西三荘の美味しいイタリアン料理Binarioのサルバトーレ料理長(イタリア人)が腕を振るった焼きたてのピッツア、お料理、ビール等が届きました。
今日初めて出会った人たちと乾杯して打ち解け合い、イタリアン料理でお腹いっぱいエネルギーを満たします。
Startup Weekend Osaka Spaceには、大阪のみならず東京や福岡など全国から参加者が集まってきます。そして京都大学の教授やJAXAの職員など、宇宙玄人の方々も参加しています。もちろん、宇宙と全然関係ない分野からもたくさん集まっています。参加してくださったJAXAの職員の方からは、「普段、宇宙イベントに行くと、いつも見かける顔ぶれが多いけど、今日、ここ大阪では、知らない人、普段見かけない人がいっぱいいて、それだけでもとってもワクワクする!!すっごく楽しい!!」と満面の笑みでご感想を頂きました。
また、今回の会場はオーガナイザーが勤めているパナソニックの新ビル会場であることを活用し、特別に、スポンサー企業の展示を企画しました。会場正面に飾った株式会社たすくさんの月面ローバー、パナソニックGame Changer Catapult第一期生から生まれた「見た目そのまま柔らか食デリソフター」の試食会、日本人として初めてNASAに認められた月面探査車YAOKIの砂場操縦体験会、サラリーマン宇宙旅行者としてテレビでおなじみの稲波紀明さんの等身大パネル、宇宙人クラブのブースでは宇宙天気の動画、新聞、論文のご紹介、宇宙漫画、内閣府S-Booster動画など、参加者やご見学者の皆様に、宇宙を身近に感じて頂き、興味を持ち、宇宙ビジネスへの関心や挑戦を呼び起こす仕掛けを考え、実践しました。
INAMI SPACE LABORATORY代表取締役 稲波紀明氏の等身大パネルと宇宙人クラブTシャツを着たNASAアジア代表Garvey McIntoshさん
19時になりました!
さあこれから、起業に必要な最低限のエッセンスを3日間でぎゅっと詰め込むプログラムがスタートします!
プログラムが始まる前にインプットタイムとご挨拶の時間を30分頂きました。
先ず冒頭はインプットタイムとして、内閣府宇宙開発戦略推進事務局 技術参与 白石祐嗣様にご登壇いただき、宇宙ビジネスの概要とS-Boosterのご説明をしていただきました。
次に、会場スポンサーを代表して、パナソニックホールディングス株式会社役員 小川立夫様より開会のご挨拶を頂きました。
そして次に、ゴールドスポンサー代表としてパナソニック株式会社 事業開発センター所長 磯崎典夫様よりご挨拶を頂きました。
そして、次に、宇宙スタートアップ企業唯一のゴールドスポンサー、株式会社たすく代表取締役社長 古友大輔様よりご挨拶とプレゼンテーションを頂きました。
さあ、それではいよいよ、Startup Weekend 認定ファシリテーターに登場していただきましょう!
今年のファシリテーターは、マツモトサトシさんです!!
これから参加者の皆様が考えてきてくださったアイデアの1分ピッチが始まります!
良いアイデアがあっても、伝える力がないと、投資家への訴求も弱くなり、ビジネス立ち上げが難しくなります。
まずはA4の紙に自身のアイデアを書きます。会場の什器を汚さないように、透明ビニールシートをかぶせた床の上でカラーマーカーを使って書いていきます。
ここで最初に試されるのは、プレゼンテーション力、発信力、表現力・・・!さあ!最初の関門を突破しよう!
1分ピッチが終わった後には、ピッチに使ったアイデアを描いた各A4の紙を順番に床に並べて行きます。
そして参加者各々、自分が良いと思ったアイデアに赤丸のシール(3つ)を貼っていきます。一つずつ貼ってもいいし、同じアイデアに2つ、3つ貼ってもOKです。そうして、赤丸が多いアイデアが選出されます。
その後、そのアイデアピッチをした人が、自分のアイデアに共感し一緒に活動してくれる仲間を集めます。3人以上集まったチームが、チームビルディング成功!第一関門突破!今日から3日間、そのテーマを推進することができます。
ここでは、良いアイデアがあっても、人集めが出来なかったら起業はできないことをリアルに体験します。
こうして、難関を突破しながら、21個のアイデアのうち、最終的に8個のテーマが選ばれました。
即座に結成されたチームメンバーの皆さんは今日からの3日間を共にします。
チームビルディング完了をもって一日目が終わります。そして、翌日の2日目に続きます。
【2日目 2023年4月29日(土)】
2日目は朝9時から開始です。初日にテンション上がり、早くから来て頑張っている人がけっこういます。
各チームに分かれて、話し合いを行い、拡散と収縮を重ね、どんどんアイデアブラッシュアップをしていきます。2階のガラス張りの会議室に8チームが分かれ、透明ガラスに付箋でアイデアを張り、模造紙に描き、プレゼン資料に落とし込んでいきます。
イタリアン弁当が届きました。朝から頭を使ってお腹がペコペコ、ここでエナジーチャージです。
午後2時から4時までの2時間はコーチングタイムです。今年はSWOS史上最強のコーチともいえる素晴らしく豪華な先生方にお集まりいただきました。
元JAXA有人宇宙技術部門総括医長の三丸敦洋様、INAMI SPACE LABORATORY代表取締役社長の稲波紀明様、WARPSPACE USA CEOの森裕和様、スカパーJSAT(元内閣府)の一柳清隆様、そして内閣府 宇宙開発戦略推進事務局 参事官補佐 馬場様にも直々にコーチング頂けることになりました。明日はNASA アジア代表Garvey McIntosh様の特別コーチングもあります!
昨日から今日の昼過ぎにかけて、時に丁々発止、激しい議論やぶつかり合いなどありつつも、和気あいあいと進んでいた各チーム、ここで登場した5人のコーチに順番にコーチングを受けます。実はこの時点で8チームのうちの1つのチームが2つに分裂し、全部で9チームになっていました。各チームの代表が集まって希望するコーチの順番を取り、コーチングスケジュール(時間割)を作りました。
チーム内で検討していたビジネス仮説をコーチ(宇宙関連ビジネスを取り巻く環境や顧客のことをよく知っている専門家)に当てて検証してみると、思いのほか立てていた仮説が間違っていることがわかり、ここで一気にどん底の雰囲気になります。楽しくノリノリの船出もあれば、途中で「ああ、もうこのままではダメだ・・・」と、どん底の気分も味わう。そこで仲間割れが起きたりチームの分裂が起きたり、これらはすべて起業プロセスにあるあるの事象です。文字通り、3日間で起業のリアル体験ができる、というわけです。
ここで、疲れた頭と心を癒す宇宙人クッキーの差し入れ。昨年に続き、宇宙人クラブパティシエ倉嶋由紀恵さんが100個も手作りして東京から送ってくださいました。由紀恵さん、いつもありがとうございます!
その後、全員が一階会場に集まり、コーチング後の全体セッションが行われます。ファシリテーターに「一度とことん落ち込んで、そこから這い上がることが起業体験のリアル!このプロセスが大事!」と慰められながら、再び心と身体をリセットして、夜21時までもうひと踏ん張り集中してアイデアをカタチにしていきます。
コーチングの後も、夜遅くまでアクションは続きます。
顧客の課題を発見する。MVP(ミニマムなプロダクト)を組み上げ、仮説が正しかったか、課題解決が出来ているかの検証を繰り返す。これを54時間という限られた時間の中でどれだけ達成できるかということへのチャレンジになります。
【3日目 2023年4月30日(日)】
あっという間に3日目、最終日となりました。
朝いちばんの新幹線でNASA アジア代表Garvey McIntoshさんが会場に到着しました!
早速、各チームを巡回して特別コーチングをして頂きます。その前に、Startup Weekend Osaka Space特製Tシャツに着替え、DeliSofterの試食をして腹ごしらえをしてから、記念撮影です。
ちなみに前回の2021年はこんな写真を撮影していました。
1チーム当たりの制限時間を決め、午前中に(お昼過ぎまで)Garvey McIntoshさんに全9チームを順に巡ってコーチングして頂きました。Garveyさん、特別コーチングありがとうございました。
14:30からテックチェック(投影チェックなどのピッチ前の技術的な確認)を行います。 そして、いよいよ16:00からの最終発表(Final Pitch)の時間がやって来ました。
審査員の登場です。今回の審査員の3名様を順番にご紹介し、各審査員に自己紹介をして頂きました。
審査員の皆様
オムロン株式会社インキュベーションセンタ長 竹林一様
日本テクノロジーソリューション株式会社 代表取締役社長 岡田耕治様
クロネコキューブ株式会社 岡田充弘様
最終発表をする各チームの名前と発表順序を紹介します。
Startup Weekendは、ビジネスコンテストではありません。顧客の課題を発見し、プロダクトを構築し、ビジネスモデル設計を通じ、スタートアップの可能性を探る、謂わば『仮説検証プログラム』です。 審査基準は、「顧客検証」、「課題解決の実践とデザイン」、「ビジネスモデル」の3点となっています。
ついに、最終発表が始まりました!
サービス申し込みサイトを作って、実際に申し込んでもらった顧客がいるとアピールするチームもありました。
チームでの発表の後は、Q&Aタイムです。審査員からの質問にチームが答えます。
即席の材料でプロトタイプ(MVP)を作り、それを使って実演したチームもありました。
各チームの発表風景です。
全ての発表が終了した後、審査員の先生方は別室に移動します。 審査員が別室で審査している間の時間は、NASAアジア代表Garvey McIntosh氏の基調講演とスポンサースピーチです。
NASAアジア代表 ガ―ヴィー・マッキントッシュ氏
こちらの写真は、NASAアジア代表Garvey McIntosh氏の基調講演の中でのひとコマです。
続いてスポンサースピーチが行われました。
株式会社ゴートップ 代表取締役社長 青山 光洋様より高級ワインの差し入れを頂きましたので、皆さまにご紹介しました。
最後に運営協力サポーターの宇宙人クラブのご紹介もしました。
さて、いよいよ審査発表の瞬間です!!
第3位から第1位の発表に加えて、今回は審査員特別賞の発表もありました。
【審査員特別賞】「ととのう宙」チーム!
【第3位】「雷神」チーム!
【第2位】「ロバコン」チーム!
【第1位】「GALAXYesta」チーム!
優勝おめでとうございます!
そして、第2位、第3位、審査員特別賞を受賞したチームの皆様も、おめでとうございます!
しかし、このイベントは、実のところを言うと、賞を得ることが目的なのではありません。
ここで、私たちオーガナイザー(福海由加里・薮野寛之)から皆様に、このイベントで一番大切なメッセージをお伝えしたいと思います。
それは、「このイベントが終わったその時が、起業の最初の3日間を体験して頂いた皆様の新たなチャレンジの始まり」だということです。すなわち、今回入賞されたチームの皆様はもちろんのこと、惜しくも入賞を逃したチームの皆様も、その、あと一歩の悔しい気持ちをバネにして、「今日から次に向けたアクションを始めること、そして、そのアクションを続けること」、これが一番大切なことなのです。
審査発表が終わった後、会場の大階段の前にて、参加者全員で記念撮影をしました。(掛け声は、皆で「ととのう~」(笑))
3回目になる今年のStartup Weekend Osaka Spaceは、過去最大、実に80名以上の多くの皆様にご参集いただきました。
記念撮影の後は、本イベントのフィナーレを飾る、パーティータイムが始まります。 美味しいお料理を提供して頂いたレストランBinarioのサルバトーレ料理長にもご挨拶頂きました。
また、パーティーでは、株式会社ゴートップの青山社長から頂いた高級ワインも振舞われました。
3日間の充実した濃い時間、苦楽を共にしたメンバー、素晴らしい先生方、ご支援者との出逢い、全てが貴重で素晴らしい体験だったと思います。きっと、この春の忘れられない思い出になるでしょう。
最後に、ゴールドスポンサーの株式会社たすくさんとの記念撮影写真で締めくくりたいと思います。
また来年もStartup Weekend Osaka Space 4thとしてカムバックできることを願っています。
【リアル開催】Startup Weekend Osaka Space 3rd – Startup Weekend 大阪 | Doorkeeper
【オーガナイザー】 福海由加里 薮野寛之
【運営サポーター】 (宇宙人クラブ 有志) 長倉輝明 坂田泰子 坂田万依 西和哉 北虎理恵
【コーチ】 Garvey McIntosh様 三丸敦洋様 馬場由之様 稲波紀明様 森裕和様 一柳清高様
【審査員】 竹林一様 岡田耕治様 岡田充弘様
【初日講演】内閣府宇宙開発戦略推進事務局 白石祐嗣様
【基調講演】NASA アジア代表 Garvey McIntosh様
【ファシリテーター】 マツモトサトシ様
【ご協力】パナソニックホールディングス株式会社 役員 小川立夫様
パナソニック株式会社 事業開発センター 所長 磯崎典夫様
パナソニックオペレーショナルエクセレンス株式会社 グループ不動産統括センターの皆様
パソナ・パナソニックビジネスサービス株式会社の皆様
イタリアンレストランBinario 料理長 サルバトーレ様
株式会社ゴートップ 代表取締役社長 青山光洋様
ギフモ株式会社 営業部長 水野時枝様 他、デリソフターチームの皆様
【後援】 NASA(アメリカ航空宇宙局)
JAXA(国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構)
内閣府 宇宙開発戦略推進事務局
【主催】 NPO法人 Startup Weekend
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