宇都宮初開催から早や一年。宇都宮では年間2階開催するんだ!と前回勢いで決めてしまいましたが、本当にできるのか。参加者は集められるのか、スポンサー様は応じてくださるのか、ジャッジは?コーチは?この短期間でそんな回数できるほど宇都宮に熱量はあるのか?まだ我々が見ぬベンチャーマインドのフロンティアは宮っ子に残されているのか?そんな中、みたび走り出したSW宇都宮。無理は承知な挑戦の結果をここに報告いたします。

■概要

日時:2022/11/18(金)~11/20(日)
会場:Cafe ink Blue
参加人数:32名
ファシリテーター:岩城 良和
オーガナイザー:森忍 常川 朋之 柴田 理香 高尾 俊行 稲垣 雄貴 小川 江玲奈 髙橋 賢司 Sungmin Park
        佐藤 崇弘 柴原 沙耶乃 木川 昌彦 鈴木 愛康 坂本 功治(KOJI:記)

【Day1】

宇都宮と言えばインクブルー。前回2回の激戦地であったインクブルーを今回もお借りしております。すでにSW宮っ子たちにとって、インクブルーは我が家。遠方から弾丸のように飛来するオーガナイザたちもインクブルーに来るときは「ただいま」なんて言って入ってきます。年に二回の帰宅です。遠方オーガナイザとか語感がやばすぎてますが、オーガナイザを絞るだけ絞ることで有名なSW宇都宮。今回も絞られる覚悟でドMなオーガナイザたちが参加者の皆さまを今か今か、と待ちわびております。

俺たちのインクブルー

早めに会場入りして重たい机を運び出し、運営が始まります。SW宇都宮では一棟全部借りてしまいます。オーガナイザが多いのであっという間にこんな感じで設営完了。明らかに手順が良くなってきています!

会場設営Done!皆さまを待ちきれないMORIKKOさん

<初心者でも安心ですよ>
SW宇都宮は大半の方が初参加です。疎外感を持たれないよう、さっそくプレゼントでこちら側に引き込みます。ノベルティをもらって嫌なひとは居ないのです。オーガナイザの看板娘から直渡しです!これだけでも来る価値ある!

ノベルティをプレゼント。これであなたも宮っ子に。

まずは佐世保の蜂の屋さまからお取り寄せした蜂の屋カレーを召し上がっていただきます。さっきまで知らない者どうしでしたが、これですっかり意気投合。SW宇都宮ではカレーのスパイスで皆さまのアイスブレイクをさせていただきます。さあ、これにてSW宇都宮、開幕です!

さっきまで知らない人たちだったのに、昔から知っていたかのような雰囲気に!

<1stファシリテーション>
今回のファシリテータは茨城つくばから来ていただきました、岩城ファシリテータに運営をお願いしております。さっそく岩城ファシリテータによる岩城風ファシリテーションが始まります。SWは各地で開かれておりますが、その土地×ファシリテータで全く異なる味付けになります。土地×ファシリテータが餡だとすると、オーガナイザはそれを包み込む存在。まさに宇都宮餃子。上手いこと言った。毎回違う味。

岩城ファシリテータによるファーストファシリテーション

ファシリテーションもそこそこに、早速アイスブレイクが始まります。最初のお題は、ランダムに与えられた単語から新しいビジネスとそのキャッチコピー、ブランドイメージを作り出すというもの!そんなこと今まで考えたことない!という声を聴きながら、一同四苦八苦が始まります。

僅かな時間でロゴまで考えます。ビジュアルは聞き手にイメージが伝わりやすい。

なかなか苦戦しますが、SWの重要にして最大の価値は「アイデアをカタチにする」ということ。アイデアだけでは価値を持ち得ません。他人に訴えて、他人の行動を変容させることができて、始めてアイデアはカタチになったといえるのです。そんな体験をいきなり皆さまにしていただきます。これぞSW!

なんとかかんとか形にして発表します。

どのチームも何とか形に仕上げて発表します。これでチーム員がどんな人たちなのか、ほかのチームにはどんな人がいるのか。それが少しずつ分かってきます。

<1分間ピッチ&チームビルディング>
さあ、これにてウォーミングアップは終わり。ここからSWのメインテーマに至る道、一分間ピッチのスタートです。SWは会場によって全員が発表しないところもありますが、SW宇都宮は基本的に全員発表を促します。そしてそれはオーガナイザも同様で、オーガナイザも自らがアイデアピッチに挑みます。オーガナイザ絞られすぎ。

自分の言葉で他の人の心を動かすことができるか
いざ人前に立てば、みなさん堂々とピッチができるのです。不思議。
オーガナイザも発表に参加します。原則全員リングに上がるのが宇都宮のルール!

さあ、旗を掲げたならば、そこに集う人を集めなくてはなりません。自分の意見に協賛してくれるチームメンバーを口説きにかかります。いくら良いアイデアでも3名以上集められなければ、そこでアイデアは没案となってしまいます。自分の意見をいかに拡散、発展してくれる人を探すか。人は城であり、石垣でもあり、堀でもあります。自分と合うメンバーを集めれば、強固な城に匹敵します。ここで自分に合う人を集めるためには、リーダーの考えをいかに皆さんにお伝えできるか。コミュニケーション能力が問われます!

アイデアを売り込み、賛同者を募ります

最終的に6チームが結成されました。最初の投票で人を集められなかったチームも、自ら動くことで3人以上の賛同者を集め、参加権を得ます。なんとかメンバーを集められた各リーダー。さあ、ここから残り48時間を一緒に過ごすわけです。初日はこれにて会場は閉じられますが、各チーム員同士でそれぞれ自己開示を行い、チームメンバーとのコミュニケーションコストを下げていきます。スムーズなコミュニケーションは意思決定にはマストです。

ところで、SW宇都宮ではジャッジ陣も熱い!三日目のジャッジを待ちきれず、ジャッジ陣が下見に訪れ、差し入れを頂けました。愛されすぎです、SW宇都宮!

会社ロゴの入ったチョコレートたくさん。ありがとうございます。

各チーム、興奮と不安と知恵熱で眠れないであろう状態の中、初日の帰路につきました。チームによってはアルコールという潤滑剤を用いてコミュニケーションを図ったところもあったようで。終始楽しい雰囲気で初日は終わりました。

【Day2】

二日目もオーガナイザ陣は元気です。まだまだ絞れますね。

美人姉妹オーガナイザ、弾丸オーガナイザ、コーチングオーガナイザ、映り込みオーガナイザなどなど。

SW二日目が明けていきます。各チームがっつり朝からどこかしこでミーティングをやっております。どこのチームもすでにアイデアは固まっている模様。あとはこれを進めるだけ!

進めるだけ!だけど・・・うまく行くかな?

岩城ファシリテータによる2日目のファシリテーション。なぜ半ズボン。

二日目の今日は実際に自らビジネスを行っておられるスタートアップの先輩によるコーチングがあります。コーチングはSWの基本メニューですが、宇都宮ではコーチ陣にこっそり隠しメニューが伝えられます。「激辛で」。さあ、SW宇都宮二日目。名物コーチングの始まりです。エドモンド本田ばりのサバ折りを皆さまには楽しんでいただきます!

自らビジネスを走らせている先輩の意見は、説得力がある。

ビジネスとは一言でいうと、誰かの困りごとを私が解決しましょう!というもの。お客さんはお金を払ってでも、今のこの困りごとを解決してほしい、と思うからこそ、そこにサービスや製品を供給して買ってもらうわけです。しかし、各チームともにどうしても解決方法の方に目が行ってしまいます。まずは三つのD、誰の、どんな困りごとを、どうやって解決するか、を明確にせねばなりません。そんなところをコーチ陣に鋭く突っ込まれます。

木村様によるコーチング。柔らかな印象とは異なり、格の違いを見せつけられます。

各チームともに最後の「どうやって解決する」のところで自分のやりたいことを出してしまいがちです。
楽しいものね、ソリューションを考えるのは。でも、そうするとお客さんのいないサービスや製品を作ることになってしまいます。それ、誰がお金を出して買ってくれるの?

寺澤様によるコーチング。さすがベンチャーズで一番広い部屋だけあり、指摘が的確です。
石橋様によるコーチング。モノづくり視点でのアドバイスをいただきます。

参加者の皆さまがコーチ陣のサバ折りで苦しんでいる頃、今回の各種デザインを担当くださった本望さんに来訪いただきました。皆さまが見られたであろう、ポスターやフライヤーはアイコウさんと本望さんによるものです。
いろいろな人が多重に多層に関わってできているSW宇都宮。これはちょっと来ないと損だと思いませんか。

オーガナイザもデザイナーも面白い人ばかり。宇都宮で会えますよ!

2日目は差し入れも沢山いただきましたが、なんと前回の参加者がコーチとして来てくださり、飛び込みコーチングを行ってくださるというハプニングも起きました。このチームはこの飛び込みコーチングで大きく方針を変えることに。SW宇都宮はいったい何が起きるか分かりません。

モコさんの突然コーチング。実は直前にモコさんの話をしていたので、幻かと思った。

2日目の朝は、あ、これ行ける行ける。あったらいいよね、使いたいよね。そんな感じで和やかにディスカッションも盛り上がっていたのに、いまどのチームもすっかり意気消沈。それほどにコーチ陣の指摘は辛辣で的確です。オブラートに包んだはずの刃物がオブラートを突き破ってきます。そう、お客さんは「あったらいいよね」程度の困りごとにはお金を払ってくれないのです。

あったらいいよね、とは、無くてもいいよね、と等価なのです。ビジネスとして成立させるには、そんな弱い選択ではなく「お金出すからすぐ持ってこい!」これくらいの需要感が必要なのです。

餃子を食べながらもディスカッションは続きます。いったい自分たちが進む方向はどこなんだ。

自分たちのサービスや製品は、いったい誰の、どんな困りごとを、どうやって解決するのか。結局2日目の朝の問題提起に戻ってしまいます。この3つのDが解決されなければ、どんなアイデアもアイデアどまり。各チーム、前提を疑うところから再スタートを余儀なくされます。意気消沈するチーム、言葉が出ないチーム、そうはいってもお腹は空いたなというチーム。みなさん各種各様。2日目の夜は長くなりそうです。

2日目のコーチングを担ってくださったコーチの皆さま、本当にありがとうございます。

<コーチの皆様(敬称略順不同)>
・石橋 利也(合同会社イーヴァ代表 / 関東職業能力開発大学校 非常勤講師)
・木村 由貴子(株式会社ブリジック 代表取締役)
・寺澤 崇史(株式会社フォーカス 代表取締役)

【Day3】


三日目の朝。
例によってStartupWeekendの朝は早い。会場の開場が午前10時なのですが、すでに皆さまそこら辺の喫茶店やホテルのラウンジで打ち合わせを済ませてきています。昨日はどのチームもコーチングとその後の方向修正で今までのプランの再考を余儀なくされています。不安しかない中、岩城ファシリテータの最終日ファシリテーションで三日目が始まります。

さすがにジャッジ陣を見越して、長ズボンになった岩城ファシリテータ

長いようで短かった三日間。すでに最終日です。今日の午後からアイデアをまとめて形にして、ジャッジ陣を前に発表せねばなりません。果たしてそこまで行けるのか?厳しいようですが、ビジネスには何事も納期があります。納期に仕様書通りの物を納めて始めて売り上げが立つのです。三日目はジャッジによる厳しい品質評価が為されます。参加者一同、気が気ではありません。

SW宇都宮にお越しいただけると、名物オーガナイザたちに会えます。握手してもらえるかどうかは本人次第。

どのチームも2日目の夜に大きく方向転換し、そこから一気に仕上げていきます。順風満帆なチームなんてどこにもありません。ですがビジネスにおいて朝令暮改なんて当たり前。環境に応じて自らを変えていかねばなりません。

ビジネスも自然界も同じ、自然淘汰の世界です。変化に対応したものだけが生き残れる。昨日のコーチング台風にとって各チームともに大きく進路を変更されました。これを追い風ととらえるか、向かい風ととらえるか。自分が船ならば追い風は推進力になりましょう。では自分がグライダーだったら?そう向かい風は上昇するのにまたとないチャンス。物事は一つですが、どう捉えてどう行動するかは自分次第なのです。

今から再構成しないと!アテ、どないしたらええの?

事前の中本ファシリテータによるエフェクチュエーション講座でもありました。みなさん覚えておられますか?レモネードの原則。もし自分が酸っぱいレモンしか持っていなかったら・・?それでレモネードを作って売ってしまえ!

どんな物事でもチャンスとして捉える。これが起業家に求められる資質の一つであると、エフェクチュエーション講座で学びました。いま、まさにそれが求められているのです。

もうすぐ発表だけど、楽しそうなBeingチーム

エフェクチュエーション講座ではクレイジーキルトの原則も学びました。様々な人間関係を狂ったように広げて、それでキルト(布)を作るのだ、と。いまのチームは3日前までは全く見知らぬ者同士。それが一つの旗のもとに集い、3日間で形にしようというのです。最初は楽しかったチームでも、進むにつれて意見の対立があり、隣のチームの芝がグリーンに見えたり、うまく行かないことばかり。でも何とかそれをまとめ、共通点を見出し、最終形にまとめていきます。まさにクレイジーキルトの原則そのままです。

<最終ピッチ>

さあ、ついにやってきました。SW宇都宮最大にして、最後のイベント。最終ピッチです。今回も豪華かつ強力なジャッジ陣にお越しいただきました。みなさま栃木に由来のある方ばかり。といっても地元ひいきは一切ありません。判定のクライテリアは明確であり、それとジャッジの皆さまの経験とを照らし合わせて各チームのプランの妥当性、実現性、新規性を冷徹に評価されます。

居並ぶコーチ陣。企業運営されている方ばかりでプレッシャーが違います。

<審査員の皆様(敬称略)>

・櫻井 仙⾧(株式会社アール・ティー・シー 代表取締役社⾧)
・床井ちとせ(有限会社シンビプロジェクト取締役副(福)社長)
・義達 祐未(クリエイター・とちぎ未来大使 YUM innovation合同会社 CEO)
・小川 拓矢(株式会社 ユーユーワールド 取締役社長)

【結果発表】

特別賞! パンプバイク!

駐輪場の自転車の空気圧を調べて回ったという行動力!

発案や着眼点、そして何より実際に調査して回ったという行動力が高く評価されました。それと発表も上手で規定時間内に言いたいことを全て言って終わらせるというのは、なかなかのプレゼン技術!一番の得点ポイントは駐輪場に赴いて、片っ端から自転車の空気圧を調べて回った!というその行動力。圧倒的な行動量と市場調査の結果は、評価陣を黙らせる迫力がありました。

第1位!

Being!

キャラクターが可愛らしくてとても良かったです

最小検証モデル(MVP)の作りこみが完璧でした。評価者ではなく参加者もその完成度には一同感心しきり。リーダーのアイコウさんによれば、全部の案をスクラップにして最終日の朝六時から再度作り上げたとのこと!さすが。ジャッジからの評価も高く、社会との風潮ともマッチしているとのお言葉を頂きました。自分たちがやりたいことと世の中が求めていることを高次元で組み合わせた、優勝にふさわしい内容でした。

床井様 モットーは「行き当たりバッチリ」一同胸に刻みました。

そんなこんなで嵐のような三日間でしたが、あっというまに駆け抜けた感じでした。このレポートからもSW宇都宮の疾走感が伝われば嬉しいです。予想外の訪問者や沢山の差し入れ、様々な人の協力でSW宇都宮は成立しております。各社スポンサー様、会場をお貸しくださったインクブルー様、そして遠路はるばる駆け付けた弾丸オーガナイザの皆さま。大変感謝しております。そしてそれらは何のためであったのか。これらすべては参加者の皆さまがSWマインドを持って帰っていただくための仕掛け、舞台装置に過ぎません。

前回のコーチに引き続き来てくださった、義達様。

SWマインドを各地に持ち帰り、各地でSWを咲かせていきましょう。もし、今回のSW宇都宮が楽しかったと思っていただけたならば、その楽しさをぜひ地元にお持ち帰りいただいて、その先々で宇都宮風味のSWをやって行きましょう。もしやり方が分からないなあ、宇都宮風味ってどんなんだったっけ?と思われましたら、また次回SW宇都宮にぜひお出かけください。あの辛くとも楽しかった3日間をまた楽しんでいただけることでしょう。

小川様。海なし県栃木に港を作られたように、宇都宮にSWの集積地を築きましょう。
櫻井様 ここにいる皆さまと一緒に仕事がしたい!と言ってもらえました。

いかがだったでしょうか。第三回StartupWeekend宇都宮。初回から1年しか経ってないのですが、確実に認知は増え、オーガナイザも増え、参加者様も増えてきています。今回も沢山の参加者様に来ていただき、沢山の企業様にスポンサードしていただけました。

ぜひ皆さん、楽しかった、で終わらせずにその熱量を維持して行動し続けてください。そして各地で特色のあるSWを開催してSW宇都宮のオーガナイザを呼んでください。サービス精神にあふれる宇都宮のオーガナイザたちはきっと皆さまの土地で新たな宇都宮風味のSWを根付かせるのに役立つことでしょう。

そんなに待ってられないし、うーんちょっと熱量下がってきたな・・とお考えの方!次回のSW宇都宮にぜひお越しください。また一緒に熱い3日間を過ごしましょう。また次回のSW宇都宮でお会いいたしましょう。

宇都宮オーガナイザ一同。また次回お会いいたしましょう。

[リードスポンサー]
株式会社エンターテイン 様

[スポンサー]
株式会社 株式会社カンセキ 様
株式会社 モンキークルージャパン 様
ホテルマイステイズ 様
弥生 株式会社 様

【イベントページ】
https://swutsunomiya.doorkeeper.jp/events/141073

KOJI拝

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