2020/2/21(金)~23(日)の3日間、Panasonic Wonder LAB Osakaにて、米国シアトル式54時間起業体験プログラムStartup Weekend Osaka Space 1stを開催いたしました。「宇宙」をテーマとしたStartup Weekendでは大阪初上陸です。関西地方で、テーマあり(しかも宇宙!!)の開催で50名超の参加お申込みを頂くことは非常にまれなケースと驚かれています。しかも締め切りのかなり前に満員御礼となりました。関西の「宇宙」ブームの起爆剤となる機運を感じます。
■概要
日時:2020/2/21(金)~23(日)
会場:Panasonic Wonder LAB Osaka
参加人数:「プレイヤー約50名」+「コーチ・審査員・サポーター等」合計約70名超
ファシリテーター:福井 健司
オーガナイザー:福海 由加里・薮野 寛之
運営協力サポーター:宇宙人クラブ 事務局有志
丹田 浩司・藤井 圭子・吉田 哲・西 和哉・北虎 理恵(以上 パナソニック株式会社)
長倉 輝明(パナソニック アドバンストテクノロジー株式会社)
坂田(勝田)泰子(パソナ・パナソニックビジネスサービス株式会社)
藤井 匠平(大阪大学)
【Day1】突然のコロナウィルスによるイベント中止が相次ぐ中、万全の対策にて開催決行!
初日の早朝より本イベントのスポンサー様でもあるパソナ・パナソニックビジネスサービス(株)の青山光洋社長のお気遣いにより、Panasonic製ジアイーノ(次亜塩素酸抗ウィルス機)6台を会場に設置頂き、スタッフはマスク着用にて参加者の皆様をお迎えいたしました。コロナ通達によりキャンセルをされた方もいらっしゃったものの50名の参加者の皆様にお集まりいただきました。
米国シアトル式起業体験プログラムStartup Weekendはパーティから始まります。
冒頭インプットタイムで、内閣府の一柳清高様がご登壇くださり、わが国の宇宙ビジネスの潮流とS-Booster応募要項に関してご説明くださいました。
茨城県庁 宇宙プロジェクト推進室 伴場啓人様もご登壇くださり、日本の宇宙ビジネスの最前線を走る茨城県の宇宙ビジネスについてお話いただきました。
内閣府 一柳清高様と茨城県庁 伴場啓人様のスペシャルスピーチ終了後は、いよいよ本日のメインイベント!! 1分ピッチとチームビルディングです。
50名のうち25名の方が1分ピッチに手を挙げ、その中で7つのテーマが選ばれました。が、ここでStartup Weekendの名台詞、「敗者復活戦」がアナウンスされ、5名以上の方が再び立ち上がりました。結果、8チームのチームビルディングが形成されました。なんと、そのうち2チームは敗者復活戦から這い上がってきたテーマでした。これぞ、関西人の根性です!!
【Day2】コーチのフィードバックでさらにアイデアをブラッシュアップ!
2日目。朝から朝食を食べた後、ホワイボードを使って皆さん白熱議論をしています。外は雨でしたが会場内のみならず街頭インタビューに出かけるチームもありました。
14時からコーチングタイムが始まりました。
今回のコーチの皆様は三菱重工業 竹内芳樹様、JAXA探査ハブ 坂下哲也様、クロネコキューブ(株)代表取締役 岡田充弘様、茨城県庁 伴場啓人様という、宇宙業界やスタートアップ支援に経験豊富な豪華お顔触れの先生方です。各チームは熱心に耳を傾け、積極的に質問をしていました。最終日のピッチに向けて、さらにアイデアを磨き上げていきます。
<コーチの皆様(敬称略)>
竹内 芳樹(三菱重工業株式会社)
坂下 哲也(JAXA 宇宙探査イノベーションハブ)
岡田 充弘(クロネコキューブ株式会社 代表取締役 カナリア株式会社 代表取締役)
伴場 啓人(茨城県庁)
コーチングの後、コーチの坂下様よりJAXA 探査ハブのご紹介をして頂きました。
朝まで徹夜で頑張る参加者も!
【Day3】最終日の追い込み、そして最終ピッチ!!
54時間、長いようであっという間の最終日。朝から各チームは最終ピッチに向けた作業に集中。そしてテックチェック(各チームのPCからの投影チェックなど)を経て、いよいよ最終ピッチの幕開けです。
ファシリテーターから、「(1) 顧客は見つかりましたか?」、「(2) MVPはできていますか?」、「(3) ビジネスになっていますか?」と「3つの審査基準」について最終確認の問いかけがあった後、いよいよ最終ピッチが始まります。
次の8チームが最終ピッチを行いました。
1.月の箱庭 - チーム Milky Way
VR上でリアルな月面生活が体験できる街づくりオンラインゲーム「月の箱庭」を提案。自宅で手軽にリアルな月旅行(月面生活の体験)ができ、ユーザー自身で月面に仮想的な街が作れて、オンラインで他人の作った街に遊びに行けるマインクラフトのようなゲーム。月と地球の違いをVRで体感して学ぶことができる。
2.Home of KAGUYA - チーム Moon Dog
お墓の課題「永代供養」「設置場所」「心のより所」を解決するために「月をお墓にする」ことを提案。月は風化せず、どこからでも見える。月面輸送船から遺骨を投下し、墓地クレーター中央から遺骨カプセルの位置情報と映像を配信。10名で1カプセルのPREMIUMコース:5000万円/1名と100名で1カプセルのスタンダードコース:350万円/1名。
3.JAXA/NASAの衛星データを活用した宇宙体験サービス - チーム ダイバシティ
宇宙体験×教育×XRによる地域活性化サービスを提案。今回のXRはAR。現実の映像を用いて、ユーザーの動きに連動する仮想体験をさせ、そのためのコンテンツ提供も行うビジネス。宇宙に実際に行くにはお金がかかり、危険であるという課題を解決する。ARで重畳する画像の生成に衛星データを活用する。様々な場所を巡業して地域活性化にも寄与する。
4.SORA街 - チーム SORA街
SNSの投稿・評価情報の分析や衛星データを利用して隠れ観光スポット(例:「ウユニ塩湖」に似た香川県の「父母ヶ浜」など)を見つけ、その情報をユーザーに提供するビジネス(検索サイト)を提案。街おこしを支援する。検索データベース作りに衛星データを利用した地形分析を行うなど、将来的には宇宙から見た街づくりを自治体にコンサルする。
5.n/p Lab.com - チーム n/p Lab
有人宇宙実験は高コストで長期間を要するため「無人宇宙実験室」を提案する。研究者等から受注し、業務委託先のロケット打ち上げ業者・部品業者・地上局等のHUBになりサービス提供する。実験モジュールを半径2.5cmの円筒形透明圧力容器(実験後に検体回収)とし超小型衛星を活用。地上局から実験を遠隔操作。将来は無人生体実験が目標。
6.Medical Bike - チーム レスキュー
医療機関の二輪車活用ビジネスを提案する。災害時などに衛星データを活用して二輪車が通ることのできる経路を抽出し、二輪ドライバーを支援する。ドライバーはその経路で医療機関まで運送物を受け取りに行き、医療や薬を必要としている人たちに届けることができるサービスを提供する。医院や薬卸から利用料を取り、ドライバーに運賃と歩合を渡す。
7.宇宙女子研究所 - チーム 宇宙女子研究所
宇宙ビジネスに女性を増やすため、女の子に宇宙に興味を持ってもらえる宇宙版のキッザニアを提案する。宇宙を身近に体験して学べる場所の提供がコンセプト。まず、全国各地を巡業して周知を図る。お客様の階層毎に料金設定し、高度な宇宙知識を提供するセミナー等をオプション提供。将来は女性向けの宇宙関連ドラマ/アイドル/映画を提供。
8.宇宙ハウスの不動産仲介業 - チーム 宙(そら)の巣
異なる重力、閉鎖空間等の極限環境下に様々な宇宙ハウス(例:火星住宅、月面基地、宇宙ホテル)が提案されている。そこで宇宙ハウスの賃貸サービスを提供する。宇宙ハウス建築は建設業者に委託し、不動産の仲介に徹する。そのために宇宙宅建協会を設立。顧客は超富裕層。地上の極限環境(砂漠・海中等)にモデルハウスを建設し、居住体験も提供。
【最終ピッチを審査して頂いた審査員の皆様のご紹介】
<審査員の皆様(敬称略)> 向かって右から
合田ジョージ(01Booster 共同代表)
小木曽 望(大阪府立大学 航空宇宙工学 教授)
照井 冬人(JAXA はやぶさ2プロジェクト ファンクションマネージャー)
常間地 悟(WARPSPACE 代表取締役CEO)
【スポンサースピーチ】審査員が審査をしている間、スポンサーの皆様にスピーチを頂きました。
通年スポンサーの弥生株式会社様から頂いた「弥生水」も参加者の皆様にお配りしています。
【結果発表】緊張の待ち時間、そして発表
優勝は、宇宙ハウスの不動産仲介業 - チーム「宙(そら)の巣」。
優勝のポイントは、①全体的に見てビジネスになりそうなこと(居住体験など)、②夢があってビジョンが高いこと、の2点でした。01Booster合田ジョージ審査員からは、「当然、この後、皆さん起業されるんですよね!」という熱い応援の言葉(?)がありました。
01Booster合田ジョージ審査員より優勝チームの皆さんに賞状が授与されました。
二位のチーム「SORA街」は、WARPSPACE CEO 常間地審査員より表彰されました。
三位のチーム「ダイバシティ」には、JAXA 照井冬人審査員より表彰されました。
なんと、敗者復活戦で残ったチームが最後の表彰に残りました。
【実はここが大切なところです】
Startup Weekendの過去の起業成功実績をサーベイすると、実は、優勝チームが一番成功している訳では無いのだといいます。さて、それは一体なぜでしょう?
優勝チームは確かに素晴らしかった。でも、特に優勝チームは優勝したこと自体に満足し、そこで活動を終えてしまう傾向があるというのです。
現時点の評価は、あくまで「起業の最初の3日間」に対して行われたものに過ぎません。
優勝できなかった悔しさをバネに、決してあきらめることなく、“No Talk, All Action!”の精神で行動し、走り続けることが何よりも大切なのですね。仮説検証を繰り返し、何度も何度もピボットを続けながら、この後、ひたすら走り続けることが!
今まさにスタート地点に立ったばかり。実は「これからチームで何をどうして行くのか」が問われているのです。
この「隠された秘密(?)」こそが、”Startup Weekend”というイベントのもたらす体験が実際に「世界を変える事業の起点」になり得る、という理由に違いないと私たちオーガナイザーは考えています。
【アフターパーティ】
審査発表が終わった後は、楽しいアフターパーティです。
運営サポーター(宇宙人クラブ事務局有志)によるライブキッチン、手づくり料理も振舞われました。(但し、食べる人は、自己責任です♪)
恒例の集合写真はWonder LAB Osakaの玄関で撮りました。
最後に、本会にお力添えをくださった皆様をご紹介させていただきます。
[ジャッジの皆さま]
合田 ジョージ 様、小木曽 望 様、照井 冬人様、常間地 悟 様
[コーチの皆さま]
竹内 芳樹 様、坂下 哲也 様、岡田 充弘 様、伴場 啓人 様
[スポンサー様]
・日本テクノロジーソリューション株式会社 様
・有限会社ウィッツ 様
・パソナ・パナソニックビジネスサービス株式会社 様
・パナソニックIPマネジメント株式会社 様
・株式会社パソナナレッジパートナー 様
・一般社団法人 航空宇宙振興会 夢宙(DREAM SATELLITE Project)様
・弥生株式会社 様
今後とも何卒よろしくお願いいたします。
[イベントURL]Startup Weekend Osaka Space 1st
https://swosaka.doorkeeper.jp/events/99811
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