Startup Weekend Osaka Space 4th Panasonic EXL にて

【はじめに】

開催レポートの冒頭に、Startup Weekend Osaka Space の歴史をご紹介いたします。

2020年2月に大阪で「宇宙」をテーマに「Startup Weekend Osaka Space」を立ち上げました。1回目はJAXA後援、2回目はNASA、JAXA後援、3回目は内閣府、NASA、JAXAの後援に加えてPanasonic XC KADOMA新ビルのプレオープンイベントとして開催しました。後日、新ビルの紹介ハードカバー本に、「まちに開き、地域とつながる」新ビルでの「西門真イノベーション拠点としての実例」として掲載されました。

そして今回4回目は内閣府、JAXA、京都大学大学院総合生存学館の後援(元NASAアジア代表Garvey McIntosh氏の米国帰国により今回はご来日が叶いませんでした)となりました。一方で今回はマサチューセッツ工科大学をご卒業された後、NASAで長らくご勤務され、その後起業されプレジデントをしておられるMr. Michael Fletcher氏にコーチと基調講演をして頂きました。

このように、本イベントは開催を重ねる毎に「進化するイベント」として関係者を増やし拡大してまいりました。内閣府S-Boosterと連携し、毎年、S-Boosterへの応募テーマを量産しています。そして今回の開催地は記念すべき初回の会場と同じPanasonic EXL(旧Panasonic Wonder Lab)での開催となりました。 こうしてStartup Weekend Osaka Spaceの歩みを振り返りますと、1回目の開催直前からCOVID-19のパンデミックに見舞われながらも決して諦めずに実現させ、その他数々の困難が立ちはだかってもそのたびに乗り越え継続し続けてきたことが、今日の進化に繋がってきたのかな、と感慨深く思います。

【ご参考】Startup Weekend インタビュー記事 https://founderscircle.jp/posts/fukumi

【1日目 2024年5月24日(金)】

まずは準備風景です。SWオーガナイザー&運営スタッフは朝から会場の設営準備、買い出し、関連部門との調整などに走り回ります。机や椅子を並べて、旗を立てて、展示物を陳列して、買い出しに走って。ぎりぎりまで入ってくる各種の問い合わせに対応して、と、あっという間に時が過ぎていきます。今夕18時の開場に間に合わせるために額に汗して走り回ります。

あっという間に夕方になりました。続々と参加者の皆様がチェックインしてきます。 受付にて参加者の皆様に、記念Tシャツをお渡しし、ご自身の役割(デザイナー、ハスラー、ハッカー)を3つから選んでいただき、ネームプレートに名前を書き入れます。

18時を過ぎて、さあ、パーティーが始まりました!
米国シアトル式起業体験プログラムStartup Weekend は、先ずパーティーから始まります。 今日初めて出会った人たちと乾杯して打ち解け合い、お腹いっぱいエネルギーを満たします。

Panasonic EXL会場の間取りを活用し、スポンサー企業様の月面探査車の展示&運転操作を企画しました。 昨年のPanasonic XC KADOMA新ビル正面玄関に飾りました株式会社たすくさんの月面ローバー、今年は動かせるようになっていました。昨今世界的な宇宙ビジネスの躍進スピードが高まっています。参加者やご見学者の皆様に、宇宙を身近に感じて頂き、興味を持って頂き、宇宙ビジネスへの関心や挑戦を呼び起こす仕掛けを考え、実践しています。

19時になりました!
さあ!これから、起業に必要な最低限のエッセンスを3日間でぎゅっと詰め込むプログラムがスタートします! プログラムが始まる前にインプットタイムとご挨拶の時間を30分頂きました。

先ず冒頭に、今回の会場スポンサー並びにシルバースポンサー、Panasonic Groupを代表してパナソニックオペレーショナルエクセレンス株式会社ビジネスソリューション本部 部長 尾見泰弘様にご挨拶をして頂きました。その後、本イベントのインプットタイムとして、内閣府宇宙開発戦略推進事務局 技術参与 白石祐嗣様にご登壇いただき、宇宙ビジネスの概要とS-Boosterのご説明をしていただきました。

さあ、それではいよいよ、Startup Weekend 認定ファシリテーターに登場していただきましょう!
今年のファシリテーターは、マツモトサトシさんです!!

本番が始まる前に、瞬発的な発想練習のウォーミングアップをします(HALF BAKED)。

会場が温まってきたところで、さあ!これからが54時間起業体験プログラムのスタートです。参加者の皆様が考えてきてくださったアイデアの1分ピッチが始まりました!ずらりと行列になり、1人ずつ発表します。大画面にストップウォッチが映され、1分が過ぎたら容赦なく打ち切りとなります。

良いアイデアがあっても、伝える力がないと、投資家への訴求も弱くなり、ビジネス立ち上げが難しくなります。最初に試されるのは、プレゼンテーション力、発信力、表現力・・・!さあ!最初の関門を突破しよう!

1分ピッチの後は、ピッチに使ったアイデアを描いた各A4の紙を並べます。そして参加者各々、自分が良いと思ったアイデアに赤丸のシール(3つ)を貼っていきます。一つずつ貼ってもいいし、同じアイデアに2つ、3つ貼ってもOKです。そうして、赤丸が多いアイデアが選出されます。
その後、そのアイデアピッチをした人が、自分のアイデアを一緒に進捗してくれる仲間を集めます。3人以上集まったチームが、チームビルディング成功!第一関門突破!翌日から3日間、テーマ推進をすることができます。 ここでは、良いアイデアがあっても、人集めが出来なかったら起業はできないことをリアルに体験します。

こうして、難関を突破しながら、最終的に5つのテーマが生き残り、2日目に進むことになりました。 チームビルディング完了をもって一日目が終わります。翌日2日目に続きます。

【2日目 2024年5月25日(土)】

2日目は朝9時から開始です。初日にテンションが上がり、ほとんどみんな朝早くから熱量高く議論しています。各チームに分かれて、話し合いを行い、拡散と収縮を重ね、どんどんアイデアブラッシュアップをしていきます。

午前10時過ぎから2日目のファシリテーションが始まりました。これからチームで進めていくアクションにおける重要な視点や効果的な取り組み方を学び、審査基準の説明を受けます。これは起業の取り組みにおいて知っておくべきことのエッセンスとも言えるでしょう。

ファシリテーションの後、各チームでアクションが続きます。
そして、午後2時から4時までの2時間はコーチングタイムです。今年も Startup Weekend Osaka Space 史上最強のコーチともいえる素晴らしく豪華な7名の先生方にお集まりいただきました。

左から順に:Mr. Michael Fletcher様、森裕和様、山敷庸亮様、古友大輔様、白石祐嗣様、田口優介様、一柳清高様

昨日から今日の昼過ぎにかけて、時に丁々発止、激しい議論やぶつかり合いなどありつつも、和気あいあいと進んでいた各チーム、ここで登場した7人のコーチに順番にコーチングを受けますが、予想外に色々とダメ出しされて、ここで一気にどん底の雰囲気になります。メンバー各々の方向性の違い(業界用語では「音楽性の違い」と言うらしいです)により仲間割れしてチームが分裂することもあり、3日間のうち最もハードな時間帯となりますが、これらはすべて起業プロセスに「あるある」の事象です。文字通り、3日間で生々しい起業のリアル体験ができる、というわけです。

【コーチング風景】

各チームへのコーチングの風景をいくつかご紹介します。

ここで、疲れた頭と心を癒す宇宙人クッキーの差し入れ。昨年に続き、宇宙人クラブパティシエ倉嶋由紀恵さんがたくさん手作りして東京から送ってくださいました。由紀恵さん、いつもありがとうございます!

可愛すぎて食べられない! 可愛い手作り宇宙人クッキー(宇宙人クラブ倉嶋由紀恵さんの作品)

そして、今日は何の日!? 今日はStartup Weekend認定ファシリテーター、マツモトサトシさんのお誕生日です! ここでサプライズ演出、プロ料理人岡田拓治さんが作ってくださったケーキでお祝いをしました。

台所で薬膳スープをつくるルナロボ岡田拓治さんと宇宙人クラブ有志スタッフ

2日目の夕方は、コーチング後の全体セッションが行われます。ファシリテーターに「一度とことん落ち込んで、そこから這い上がることが起業体験のリアル!このプロセスが大事!」と慰められながら、再び心と身体をリセットして、夜21時までもうひと踏ん張り集中してアイデアをカタチにしていきます。

コーチングの後も、夜遅くまでアクションは続きます。
顧客の課題を発見する。プロダクトを組み上げ、仮説の適切さ、課題解決が出来ているかの検証を繰り返す。 これを54時間という限られた時間の中でどれだけ達成できるかということへのチャレンジを続けます。

【3日目 2024年5月26日(日)】

あっという間に3日目、最終日となりました。
一夜明けて、どん底の気持ちも底を打って、最後の力を振り絞る局面となってきました。

最後のインプット時間とテックチェックを経て、刻々と発表時間が近づいています。みなさんの背中からも緊迫した情況が伝わってきます。

16時になりました。さあ、いよいよ最終発表の時間が始まります。
まずは、審査員の先生方の登場です。今回の審査員の4名の先生方をご紹介します。

さあ、最終発表が始まりました! 各々のチームが工夫を凝らして3日間の集大成! 力の限りを尽くして発表します。

Startup Weekendは、ビジネスコンテストではありません。顧客の課題を発見し、プロダクトを構築し、ビジネスモデル設計を通じ、スタートアップの可能性を探る、謂わば『仮説検証プログラム』です。 審査基準は、「顧客検証」、「課題解決の実践とデザイン」、「ビジネスモデル」の3点となっています。

各チームの発表が続きます。

各チームが発表した後には審査員の先生方からの質疑があります。

全ての発表が終了した後、審査員の先生方は別室に移動します。

審査が行われている間、Mr. Michael Fletcher氏の基調講演とスポンサースピーチが行われました。

続いてスポンサースピーチが行われました。

【ゴールドスポンサー】 アルファドライブ株式会社 関西拠点長 南 優人 様

【ブロンズスポンサー】
ワープスペース株式会社 グループCSO/WARPSPACE USA CEO
森 裕和 様

【ブロンズスポンサー】
Astraporta株式会社 代表取締役CEO
森 裕和 様

スポンサースピーチが終った後(シルバースポンサーは初日にスピーチ済み)、2023年度S-Booster挑戦者のお二方から2024年S-Boosterに挑戦する皆さまへの応援メッセージを発表して頂きました。

さあ、いよいよ審査発表の時間です。みなさん神妙な面持ちで結果発表を待っています。

【審査員の先生方】 左から順に 竹林一様、岡田充弘様、栄藤稔様、岡田耕治

先ず、第三位の発表です。Forest-Sightチーム 森林管理で創出する炭素固定をカーボンクレジット化するサービスです。おめでとうございます!

続いて、第二位の発表です。ドミニオンチーム 月データの収集と販売です!おめでとうございます!

それでは、今年の優勝、第一位の発表です。Team GoKuRaKu 無重力快眠サービスです!おめでとうございます!

最後に、今年も審査員特別賞が出ました! 宇宙人とコミュニケーションしたい!という純粋な気持ちから、感情を色で表現するネックストラップを発想。2日目の夜に、大人の大所帯チームから飛び出して、チーム分断を乗り越えながら見事、受賞! 中学生と高校生が含まれた若者チームです。おめでとうございます!

優勝おめでとうございます! 二位、三位、審査員特別賞のチームの皆様もおめでとうございます!
しかし、このイベントは、賞を得ることが目的ではありません。
大切なのは、この3日間のイベントが終わった時、まさにその時が始まりだということです。 今回入賞されたチームの皆様はもちろんのこと、惜しくも入賞を逃したチームの皆様も、その、あと一歩の悔しい気持ちをバネにして、明日も引き続きアクションを続けること、これが一番大切なことなのです。

鈴木崇之さんが作ってくださった副賞の記念品

授賞式を終えて、記念撮影です。

記念撮影の後は、本イベントのフィナーレを飾る、パーティータイムです。

3日間の充実した密度の濃い時間、苦楽を共にしたメンバー、素晴らしい先生方、ご支援くださった皆様との出逢い、全てが貴重で素晴らしい体験でした。

3日間のお食事を作ってくださったBinarioサルバトーレ料理長と記念撮影

また来年もStartup Weekend Osaka Space 5thとしてカムバックできることを願っています。
Startup Weekend Osaka Space 4th – Startup Weekend 大阪 | Doorkeeper

【イベント名】
  Startup Weekend Osaka Space 4th
【主催】
  NPO法人Startup Weekend
【オーガナイザー】
  福海 由加里 薮野 寛之
【ファシリテーター】
  マツモト サトシ
【運営サポーター】
  株式会社ルナロボティクス 代表取締役社長 岡田 拓治 様
  宇宙人クラブ有志  長倉 輝明 西 和哉 勝田 泰子 坂田 万依 鈴木 崇之
【会場】
  Panasonic EXL(住所:大阪府門真市大字門真1006)
【ジャッジ(審査員)】
  竹林 一 様(オムロン株式会社 インキュベーションセンタ長、京都大学経営管理大学院 客員教授)
  榮藤 稔 様(大阪大学 先導的学際研究機構 教授)
  岡田 耕治 様(日本テクノロジーソリューション株式会社 代表取締役社長)
  岡田 充弘 様(クロネコキューブ株式会社 代表取締役、カナリア株式会社 代表取締役)
【コーチ】
  Michael Fletcher 様(元NASAエンジニア、現在 MJF Consulting LLC President)
  山敷 庸亮 様(京都大学大学院 総合生存学館 教授 専攻長、SIC有人宇宙学研究センター 代表)
  森 裕和 様(株式会社ワープスペース 最高戦略責任者、WARPSPACE USA CEO)
  一柳 清高 様(スカパーJSAT株式会社 Satellite Operations Engineer)
  田口 優介 様(Axiom Space, Inc. APAC Sales Manager)
  古友 大輔 様(株式会社たすく CEO)
  白石 祐嗣 様(内閣府 宇宙開発戦略推進事務局 技術参与)
【スポンサー】
  《ゴールドスポンサー》株式会社アルファドライブ 様
  《シルバースポンサー》株式会社たすく 様
  《シルバースポンサー》パナソニックオペレーショナルエクセレンス株式会社 ビジネスソリューション本部 様
  《ブロンズポンサー》株式会社ワープスペース 様
  《ブロンズスポンサー》 Astraporta株式会社 様
  《ブロンズスポンサー》株式会社パソナ日本総務部 様
  《会場スポンサー》Panasonic EXL 様
  《日本全国・通年スポンサー》弥生株式会社 様、G’s ACADEMY 様
【後援】
  内閣府宇宙開発戦略推進事務局 様(S-Booster 主催者)
  国立研究法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA) 様
  京都大学大学院 総合生存学館 様
  京都大学大学院 総合生存学館 SIC有人宇宙学研究センター 様
【ご協力】
  パナソニックオペレーショナルエクセレンス株式会社 ビジネスソリューション本部 尾見 泰弘 様
  イタリアンレストラン Binario 料理長 Salvatore Maggio 様

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