2025年6月20日から22日にかけて、Startup Weekendを4年ぶりに高知で開催しました。ほとんどの参加者が初参加というフレッシュな顔ぶれの中、熱くて濃い3日間となりましたので、その様子をレポートしていきます!
開催概要
- 日時: 2025年6月20日(金)~6月22日(日)
- 会場: オビヤギルド
- 参加人数: 26名
- ファシリテーター: 中村 武
- オーガナイザー: 小林 洋実(リード)、かわなかまりな、ディギー 田中誠一
- スポンサー:
- 日本全国・通年スポンサー: 弥生株式会社、G’s
- ローカルスポンサー:
- 株式会社高知銀行 様
- 株式会社アルファドライブ高知 様
- 和建設株式会社 様
- 松田医薬品株式会社 様
- 株式会社KOKUBAN 様
- オギヤビルド(有限会社 二番街) 様
- 株式会社HITOTO corporation 様
- オリエントホテル高知株式会社 様
- 株式会社モデルビレッジ 様
- 独立行政法人情報処理推進機構 様
Day1
イベント初日は、期待と少しの緊張感が入り混じる参加者のパーティーからスタート。スタートアップや自分のアイデアを形にすることに関心のある社会人、地元の高校生、県外からのSW常連、スポンサー企業の社員さんなど多様な人たちが集まりました。
参加者が想定よりも多かったため、予定より早めに本編をスタート。ファシリテーターによる全員参加型のファシリテーションで、StartupWeekendの目的や使命が紹介され、参加者の皆さんの関心を一気に引きつけます。

初参加の人がほとんど!
アイスブレイクのHafl baked。生成AIを使ってスマートにアイデアを考えるチームも。
みんなで協力して短時間でビジネスアイデアを考え発表。
自分の考えたアイデアを発表し、仲間を募る「1分間ピッチ」
あっという間にStartupWeekendのメインコンテンツ、1分間ピッチに。ここでは、参加者の皆さんがアイデアを発表し、投票をして、3日間を一緒に過ごすチームを作ります。
今回は22名の方が発表。事前に準備してきたアイデアも、その場でひらめいたアイデアも、参加者一人ひとりが自分の想いを込めて発表しました。
発表後はいいなと思ったアイデアに投票。アイデアが絞られます。
投票後に残ったアイデアの主たち。(女性多し!)
激しい投票の結果、9つのアイデアに絞られ、最終的には6つのチームが誕生。女性の参加者が多いのも、今回のStartup Weekend高知の大きな特徴でした。
今回できたアイデア、チームはこちら。
残りの2日間でどのように進化していくのか、即席で作ったチームでどのようなドラマが生まれるのか、楽しみです!
Day2
StartupWeekendのスローガンは「NO talk, ALL ACTION!」。その言葉通り、2日目の朝のファシリテーション時には、早くも6チーム中4チームが会場を飛び出し、外での活動をスタートさせていました。
会場のオビヤギルドは、高知県の中心「帯屋町商店街」に位置しており、有名な「ひろめ市場」もすぐ近く。オーガナイザーが買い出しに出かけた際には、ひろめ市場周辺で熱心に顧客ヒアリングを行っているチームも見かけました。
ランチは、高知市の商店街の一つ、菜園場(さえんば)商店街のお弁当屋さん「澤本」さんのボリュームたっぷりのお弁当。食べても食べてもなくならない唐揚げに朝からアクションを重ねている参加者は大満足。午後の活動への活力が湧いてきました。
チームが最初に投資家に出会う時間、コーチング
午後には、いよいよコーチングセッションがスタート。高知の経験豊富な起業家の方々が、各チームのビジネスアイデアをブラッシュアップするための鋭い問いを投げかけます。
チームにとっては「最初に投資家に出会う時間」。ここまでにアイデアを固めて顧客の声を聞き、コーチの方々との時間を大切にするようにとファシリテーターから声がけがありました。
ご協力をいただいたコーチの方々:
- 田村 樹志雄 氏 (株式会社KOKUBAN 代表取締役)
- 松田 高政 氏 (土佐FBC マーケティング/事業計画担当)
- 小松 一之 氏 (株式会社モデルビレッジ 代表取締役)
- 濱田 創 氏 (株式会社なかよしライブラリー 代表取締役)
自分たちのビジネスアイデアや課題定義の弱さ、「このアイデアで誰が喜ぶのか?」「そのアイデアならChatGPTでできるので、それで良いのでは?」「既存のサービスと何が違うのか?」といった本質的な問いに直面し、頭を悩ませるチームも。
コーチングは2時間ぶっ通しで行われ、とてもタフな時間となりました(笑)。コーチの皆様もお疲れ様でした。
しかし、そんなカオスな時間の後でも、参加者の皆さんの笑顔は絶えることはありませんでした。高知で地元食材をふんだんに使ったバーを経営されている、「Bar USHIRO」さんがスペシャルドリンク をご提供くださり、少しリフレッシュして、再びチームでのアクションが続きます。
Bar USHIROさん、コーチの皆様ありがとうございました!
夜もアクションは続く…
夕食は、オーガナイザーの一人であるDiggyさんがこの日のために作ってくれた特製パキスタンカレー! おしゃれで美味しいカレーにテンションが上がります。チームをシャッフルしての夕食タイムでしばしアイデアから離れて楽しくおしゃべりしつつリフレッシュです。
ご飯を食べた後はチームに戻り、ひたすらアクション。チームを超えてヒアリングをしたり、アンケートを作ったり、知り合いをたどってインタビューをしたりと、顧客検証が続きます。

会場が閉まった後も、熱気は冷めません。一部の参加者は近くのコワーキングスペース、「和の森Sotoffice」へと移動し、深夜までチームでの議論やプレゼンの準備に没頭。中には23時以降に知り合いを召喚してヒアリングを始めるチームもいるなど、夜遅くまでアクションを続ける参加者の情熱と、協力してくださった方々の温かさに感謝が尽きない一日となりました。
和の森Sotofficeにて。この後0時までアクションは続く…
Day3
最終日も、朝から会場は「ALL ACTION」の静かな熱気に包まれていました。夜遅くまで残っていたチームも、朝早くから集合し、最後の詰めに集中します。MVPの最終調整、追加のヒアリングやアンケートなど、発表に向けてできる限りの準備が進められました。
ランチには、せんだんの木さんのサンドイッチが登場。資料作成をしながら片手で食べられる最高のランチに、参加者も大助かりです。
3日間の成果を全て出す!最終発表
そして、いよいよ最終発表の時。3日間チームで顧客ヒアリングや仮説検証を重ね、作り上げてきたビジネスアイデアを、各チームがジャッジの前で発表しました。
ご協力をいただいたジャッジの方々:
- 河合 祐子 氏 (株式会社 高知銀行 頭取)
- 下村 晃廣 氏 (株式会社 下村青果商会 取締役)
- 森田 健太郎 氏 (HOTEL ICHI オーナー/きんつぎ 代表)
ジャッジからは、「アプリを作るとしているが、開発費用はどのくらいを見込んでいるのか。事業計画の試算の根拠は?」「宿泊施設を運営するとして、稼働率はどのくらいを見込んでいるのか」といった、実際のビジネスを想定した非常にリアルな質問が投げかけられました。

全チームの発表が終わった後は、しばしの休憩と、今回のイベントを支えてくださったスポンサー企業のご紹介タイム。今回は10社の企業様が協賛金や宿泊チケットをご提供いただきました。
ご協力をいただいたスポンサー企業様:
- 株式会社高知銀行 様
- 株式会社アルファドライブ高知 様
- 和建設株式会社 様
- 松田医薬品株式会社 様
- 株式会社KOKUBAN 様
- オギヤビルド(有限会社 二番街) 様
- 株式会社HITOTO corporation 様
- オリエントホテル高知株式会社 様
- 株式会社モデルビレッジ 様
- 独立行政法人情報処理推進機構 様
スポンサー企業のうち、4社8名の方々がプレイヤーとしても参加してくださり、一緒にALL ACTIONをしてくれました。「普段他の会社の人とアイデアを考えたりする機会がないので、良い経験ができた」「普段は事業支援をする立場だが、事業を作る立場を体験できて非常に良かった」という声もいただきました。
株式会社HITOTO corporation 様
株式会社アルファドライブ高知 様
和建設株式会社 様
株式会社高知銀行 様
オギヤビルド(有限会社 二番街) 様
独立行政法人情報処理推進機構 様(都合により1日目にピッチいただきました)
そして、いよいよ結果発表。結果はこちらとなりました。
- 第1位: ふつかよい
- 第2位: 推し泊
- 第3位: 高知の地酒 マッチングサービス
栄えある優勝に輝いたのは、「ふつかよい」チーム!「お酒を飲みすぎてしまう、二日酔いにならないように上手なお酒との付き合い方を実現したい!飲まないとやってられない日だってある!」という、初日の1分間ピッチから、参加者、コーチ、ジャッジと多くの人から共感を得たアイデアが、見事1位を獲得しました。しっかりとした課題設定とアイデアの面白さ、そしてその後のビジネス展開の可能性が、高く評価されました。
2位の「推し泊」は、「オタ活・推し活で思う存分飾り付けをしたり、騒いだりする宿泊場所がない。それを空き家を使って解決する」というアイデア。実際にチームの中にオタ活・推し活をしている人がいて、課題の解像度も解決したい熱量も高く、実際に検証もしていた点が評価されました。質疑応答の時間に、「そのターゲットでは、(可処分所得が少なく)お金を払わないのではないか?」というジャッジからの質問に対して、「お金があるかどうかは関係なく、推しに対してはお金を払うのです!」とオタ活・推し活の心理を踏まえて力強く回答をされていたのが印象的でした。
3位の「高知の地酒 マッチングサービス」は、「酒が魅力の高知県なのに、観光客が自分にあった地酒を見つけづらい」という課題に対して、好みに応じて地酒をおすすめし、飲める場所がわかったりオンラインで買えるサービス。実際にWebサイトや地酒紹介サービスを作り、販売してきたという点が評価されました。会場の近くにひろめ市場があり、チームの中に土佐酒アドバイザーの方がいたこともあり、かなり多くの顧客検証を行っていたのではないでしょうか。全員が会場に揃うことはほぼなく、「ALL ACTION」を体現されていたチームでした。
イベントの締めくくりは、高知らしいさわち料理を囲んでのアフターパーティー。3日間を共に過ごしたチームメンバーはもちろん、他のチームの参加者、オーガナイザー、ジャッジの皆さんなど、多くの人が集まり、様々な話題で盛り上がりました。

最後に

4年ぶりに開催されたStartup Weekend高知。コロナ禍で一度開催が途絶えた後、新しいオーガナイザーメンバーと参加者での再開となりました。継続して協力してくれたコーチやスポンサーの方、そして何よりも参加者の皆さんの情熱に支えられ、非常に感慨深い会となりました。
オーガナイザーとしては、「課題先進県」とも言われる高知で、自ら行動を起こす人を増やしたいという強い想いでStartupWeekendを開催しています。
地域の皆さんや企業の皆様にとってStartupWeekendが、アイデアを形にする場、地域での活動を応援する場、社員教育の場など、それぞれのニーズに応える存在となり、地域に必要とされるイベント・コミュニティであり続けることを願っています。
最後になりましたが、今回の開催にあたり、お力添えをいただいた全ての皆様に心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました!
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