海外へ飛び出しスタートアップ!コロナのロックダウンを経て4年ぶりに開催された熱狂をお伝えします!!!

■概要

日時:2024/6/14(金)~16(日)
会場:Enspace Cebu 2nd
参加人数:50名
ファシリテーター:中本卓利
オーガナイザー:山下美早貴・遠藤昌紀・鴫原杏奈・田家南奈・山田亮太
Tシャツデザイナー:大兼梨奈
スポンサー:ENRISE GLOBAL INC.様・株式会社QQ English様・Atfreaks Limited様・株式会社Revolution of KITTEN様・株式会社STARTERS様・弥生株式会社様・G’s ACADEMY様

【Day1】

フィリピンのセブ島に、日本から国境を超えて終結!と思いきや、何と多くの方々が現地に前入りしており、既に市場の課題やアイデアの種を作り始めていました。むしろ運営チームの訪問の方が遅いという事態に。

そして無事に会場に到着。なんとAyalaモールから徒歩数分の好立地!かつ出来上がったばかりのビルの中。ここは本当に観光地のセブなんだろうかと疑うような場所に日本から集った仲間が集まります。

そして満を持して会場に足を踏み入れると、そこは南国のリゾートと和が融合したようなコワーキングが!こちらが今回の会場「enspace」です。もちろん会場は写真に写っている場所に限らず、数多の個室やオープンスペースが完備!50名以上が集っても安心安全な場をENRISE GLOBAL INC. 様にご提供いただきました。

テラスからの展望も素晴らしく、運営も参加者もリフレッシュ時にはすぐ外に赴くことができる最高の環境です(※もちろん、東南アジアの気候でちょっとだけ暑いのですが、中に戻れば冷たく快適)

そしてSW恒例の会場セットアップがスタート。プロジェクターや旗の準備が進みます。

そして17:30 いよいよ会場オープン。受付では海外開催で初となるTシャツの進呈が行われました。色はセブの海を象徴するアクアブルー。会場スタッフのフィリピン人の方々からも「欲しい!」と言われるほどに評判の逸品。

日本から35名、現地から15名の受付を終えた後は懇親会へ!どんな料理が提供されたかというと、日本でもお馴染みのピザです!セブ島ならではのフルーツ盛り沢山なものから激辛なものまで!現地の濃ゆい味を楽しみつつ、全国各地から集った仲間と交流する時間になりました。あっという間にビールもソフトドリンクも消えていきます!

そしていよいよ開幕!の前に、初の海外、初のセブの方が多いということで、スポンサー兼コーチを務める中村様よりセブ島で気を付けるべきことについて案内が。特に蚊や犬には注意するようにといったメッセージが届けられることになりました。

次は開幕に当たり、初日から会場にお越しくださっていたスポンサーの皆様方、左からAtfreaks Limited 大野様、ENRISE GLOBAL INC.山田様、株式会社Revolution of KITTEN 近藤様にご挨拶をいただきました。

ここから先はアクション開始。始まりはもちろん、恒例のHalf Baked!日本との違いをご期待の皆様、大変申し訳ございません。StartupWeekendは全世界共通のブランドであり、どこで開催してもプログラムの流れは同じ(!)

もちろん異なる点も少しだけあるので、本編に入る前に軽く紹介させていただきます。一つ目は、週末でスタートアップに挑戦するために海外に飛び出してきたメンバーが全国各地から集まるという点で、熱量が圧倒的に高いこと。二つ目は、顧客やユーザーがフィリピンの方々になることが多いため、英語を用いて仮説検証を行う必要があること。そして三つ目は、海外という異文化で夢の中にいるような感覚の中でNo Talk, All Actionを起こさねばならないということ。これら三つが異なる点として挙げられます。

Half Bakedに登場するキーワードたちも南国風になったことから、即興で出来上がる新しいアイデアたち、そしてそのデザインも見事なトロピカルなのものたちに!

そしてアイスブレイクを終えて和気あいあいとした後はいよいよピッチの準備!フィリピン在住のメンバーも、どんなアイデアをピッチしようかと頭を悩ませます。

そしていよいよピッチ開幕!1分間に自分自身の想いやアイデアを圧縮してピッチをスタート!日本人以外の仲間を募るため、英語と日本語のWでピッチをする方も登場することに。海外開催ならではですね!

そして合計20名のピッチを終えた後はチーム作りに向けてヒアリング開始!お互いの熱を届け合う時間が始まります。熱狂し過ぎてもはや誰がどんなことを喋っているのかさえ聞き取り辛い状況に。エアコンの温度設定を15度にまで下げることにもなりました。

アイデアの詳細を確認することができたなら、次は投票と最終ピッチ!共感を集めた合計八名のメンバーが30秒ずつ想いの丈をぶつけ、仲間集めをスタート!

そしてメンバーとアイデアの統廃合を経て、合計八チームが誕生(!)アイデアをカタチにする週末が本格的に幕開けることになりました。日本で開催時にはここで解散して、続きは明日からとなってしまうことが多いのですが、海外にまで飛び出してきていることもあり、一時も無駄にはできない、ということで24時間営業のカフェやレストランに入って初日から夜明けまで打ち合わせるチームも登場。

【Day2】

二日目の朝、会場はオープンしていたものの、メンバーはなかなか姿を見せず。それもそのはず、SWセブは朝食をカフェで提供し、また昼食を会場で提供しないという運用にしていたからです。少しでも多くの時間、海外でアクションを起こして欲しい!という運営の願いから、会場に来るインセンティブが減る設計にしていました(※写真は朝食を提供したAyala Mall内のカフェの様子)

参加者の方々が屋外でアクションを起こしている間、運営チームは買い出しと晩ご飯の準備を。Ayalaモールの巨大スーパーに赴き、備品や飲料まで買い揃えていました。もちろん何もかもが順調だったというわけではなく、スーパーが広過ぎて狙った品物が全く見つからず右往左往してしまったり、レジのスーパーが大混雑過ぎて軽く30分遅延してしまったりとか、想定外の連続だったことは言うまでもありません。

運営が買い出しを終えて戻ると気付けばお昼過ぎ。そして少しずつ参加されている方々が会場に戻ってき始めました。それは何の合図かというとコーチング。起業経験者からのフィードバックをもらい、アイデアが白紙に戻るターニングポイントです。自分たちはついつい、自分の考えるアイデアに対して夢見がち。そこに対して客観的な視点を授けてくださるのがコーチの皆様。今回はセブで事業を立ち上げられた方々、進出支援を手掛けられる皆様にお力添えいただきました。

<コーチの皆様(敬称略)>
佐藤 ひろこ(セブポット創業者)
中村 秀一(ENRISE GLOBAL INC./Directer)
伊藤 駿(Filants Inc./CEO)
内山 順子(NPO法人DAREDEMO HERO 理事長)
生雲 勝之(株式会社Crepity 創業者兼代表取締役CEO)
寺本 雄平(株式会社ストロングジャパンホールディングス 代表取締役)

コーチング後は総評。市場分析・課題設定・解決策のデザイン、ビジネスモデルまで、各コーチの皆様から厳しいコメントをいただきました。そして極めつけは佐藤ひろこさんからのメッセージ。「あと24時間後には、このセブ島から始まるスタートアップが終わってしまいます。期日がある中で結果を出さなくてはいけないんです。このままで本当に発表できますか?行動を起こすなら、今です!」と激励が飛び、場の空気はより一層の緊張と熱を帯びることに。

 そんな重く熱い空気の中、運営チームは夕食を準備するため急ぎ会場の外へ。フィリピンでは、アプリで料理デリバリーを注文しても時間通りに届かないことが多々。そんなトラブルを防止するため、レストランまで足を運び、注文した料理の出来具合を確認する(適宜スタッフに「どう?作れてる?」と重ねてプッシュする)というオペレーションを導入。それだけの手段を講じても少し遅延してしまったものの、地元で美味しいと評判のレストランから5種類の料理を仕入れ、それらを車に積んで会場に戻りました。

そして無事に料理が会場に到着したらチーム横断の晩餐!これまで自分たちのチームメンバーとだけ語り合っていて、既に頭はオーバーヒート。思考を一度、元に戻すためにリセットの時間が設けられました。ほとんどのチームがコーチの皆様からのフィードバックをもらって苦戦していたことから、お互いの相談も始まることに。

そしてここからは徹夜タイム。海外まで来て後悔したくない。やり切りたい。そんな想いから覚悟を決めた方々が多々いらっしゃいました。中には敢えてチームを二つに分け、アイデアをチーム内で戦わせる手法を取ったりするチームも。ちなみにセブ島には26時まで営業しているカフェや、24時間営業のレストランなどがあることから、チームで集まる場所には困らなかった模様です。

【Day3】

最終日、いよいよ開幕!仮説検証を進めるため、ホテル前で人を掴まえてインタビューする参加者の姿も。

そして運営チームが到着すると、チームごとに動きがバラバラであることが顕著に。会場に一切姿を見せず、セブで仮説検証を繰り返すチームもあれば、日曜の朝まで集まった情報を基にビジネスモデルを組み、スライドを作り上げるチームもあり、進展には大きな差がみられました。中には作業に没頭し「間違っても声をかけないで」という雰囲気のところも。

その空気に追い出されるようにして、運営チームは外へ。100名近くが集う懇親会を準備するためです。人気のレストランに到着し、料理の発注をしようと思ったその矢先、またもやトラブル発生!なんとお店がクレジットカードを受け付けておらず、G-Cash(フィリピンで人気のペイメントサービス)Onlyでの支払いしかできないとのこと。このペイメントは在住のフィリピン人に紐づいていることから日本人は対応できないと判明して大ピンチ!

けれども挫けずお店と交渉を重ね「料理が出来上がるまでに、必ず遠隔で支払うから!」と約束を交わし、急ぎ日本から予備で持ち込んだ現金をペソに換金。そしてG-Cashアカウントを持つフィリピン人の力を借り、無事に精算!ホッと安心しつつもタスクは山積み。ヘロヘロになりながらも、運営は懇親会用のドリンク調達やフルーツの仕入れを続けていました。そして向かった先のスーパーでは「クレジットカード?今日はシステムがダウンしているから現金だけよ」と言われることに。どうやらクレカが使えないことは日常茶飯事の様子でした。

無事に手持ち現金でお買い物を終え会場に戻ると時刻は既に13時過ぎ。各チーム共に最後の追い込みで真剣そのもの。もうアイデアに迷うことはなく、これで行くんだと決めたアイデアで突き進みます。

皆様の邪魔をしないよう、運営チームはこっそり懇親会に向けて準備を開始。冷房をガンガンに効かせた会議室をお借りし、仕入れてきたフルーツや飲料たちを後ですぐに出せるように整え始めます。

そして13時半からはテックチェック。各チームのPCからピッチ用のスライドが投影できるかどうかの確認を終え、よいよ最終ピッチの開幕へ!海外で起こしたアクションの成果が、全力の熱意と共に!

ちなみに今回の審査員はフィリピンでご活躍の皆様に加え、シリコンバレーでスタートアップされている幸村様もアメリカから遠路はるばるお越しくださいました。

<審査員の皆様(敬称略)>
藤岡 頼光(QQEnglish CEO)
坂川 雄一(ADWAYS PHILIPPINES.Inc CEO)
幸村 友美(Founder & CEO, CREATRY, Inc.)
吾郷 克洋(エンライズホールディングス株式会社 代表取締役)

そして審査員室で議論に議論が行われ予定してた審査時間を大幅超過し、いよいよ結果発表へ!

セブから始まるスタートアップの第三位は…Taxi View✨

タクシー業界に存在している課題を見つけ出し、それに対する解決策を先進国の事例を元に応用、そしてセブから発展させることができるビジネスモデルを描けていたことが評価されました。また懇親会ではとある起業家の方より、かつて自分自身がチャレンジしていたビジネスの発展版を提案してくれて嬉しくなりました。とのコメントも。

第二位を飾ったのは…Show Me✨

フィリピン国内でエンターテインメントを法人であれ個人であれ依頼する際、その力量や評価などは透明化されていない状況。またエンターテイナーは事務所に所属しておりマージンを高く抜かれている状況。この状況を打破するため、CtoCのエンターテイナーマッチングサービスを提案。フィリピン在住のエンジニアチームが見事なMVPを作り上げていたところも高く評価されました。

栄えある第一位は…AMAZAKE✨

フィリピンでは栄養不足が顕著。けれども誰もが積極的に栄養を取りに行かない、そして野菜を食べない状況。このチームはフィリピン人は日本人からすると甘すぎるドリンクを飲んでいることに着目し、栄養価の高い甘酒をブレンドし、美容健康を願う若手女性に届けるアイデアを考案。そしてアイデアに終わらせることなく、甘酒を混ぜたシェイクのフレーバーを複数作成し、街ゆくフィリピン人に試飲してもらう仮説検証を実施。どの味が現地の方々に認められるのか、そもそも顧客のニーズに沿っているのかなどをAll Actionで明らかにした点が評価されました。

そして最後、総括はQQ English藤岡様より、行動を続けることの大事さ。今いる世界から飛び出す大切さ、そしてこの場に集った仲間は一歩目を踏み出しているとのメッセージを力強く届けてくださいました。誠にありがとうございました!

そして全てを終えた後は懇親会!ほぼ睡眠を取らずに興奮と緊張が入り混じる中で駆け抜けた疲れを吹き飛ばすかのような大熱狂の幕開けです。その場に相応しい料理を準備しようということで、運営チームはサプライズでレチョンを用意!豚の内臓の代わりに香味野菜を詰め、炭火でじっくり焼き上げた逸品。フィリピンではお祝いごとの際に食べられる料理でこの場にぴったり!

加え運営チームが仕入れてきたフルーツやお酒、そして配達が例の如く遅れた料理も並べられ、この場に集った誰もが心躍る時間を過ごすことになりました。

そしてコーチとしてお力添えくださった内山様が焼酎を愛して止まないということで、黒霧島を会場に進呈くださいました。サンミゲル(現地で有名なビール)に皆様飽きていらっしゃったのか、日本の誇る味は大人気を博して一瞬で消え去ったことは言うまでもありません(※内山様は別件で急ぎお帰りになられたことから、記念写真は運営チームにて撮らせていただきました。)

熱気は懇親会後も冷めやらず、二次会三次会へと繰り出す関係者が後を絶たなかった模様です。中にはStartupWeekendCebu最終日の26時のフライトで日本に帰る予定を組んでいたにも関わらず、24時頃まで飲んでフライト搭乗時刻のギリギリを攻めるという方々まで。

これにてセブからアイデアをカタチにする週末は閉幕です。三日間とは思えないほど濃密で、記憶から簡単に消え去ることのない夢のような時間からの目覚めです。日本に戻れば、こんなにも追い詰められ、決断を強いられ、初対面の方々とタッグを組んで死に物狂いになるような機会はなかなかなく、また日常が戻ってきます。物足りないと感じる方はきっと無数にいることでしょう。

けれども大丈夫です。「スタートアップを海外で始める怒涛の週末」から紡がれた出会い、そして気づきや学びは、これからの人生に大きなインパクトをもたらし始めます。人生はそう簡単に言うことを聞いてくれなくて、スタートアップのように急成長・急変革は起こらないものの、セブにて一歩を踏み出した皆様の日々は少しずつ変化を始めるに違いありません。

そして最後に、四年を経て復活を遂げることができた場にお力添えくださったコーチ、ジャッジ、スポンサー、そしてこの場に集ってくださったすべての皆様に御礼を申し上げると共に、本レポートの締めとさせていただければ幸いです。アイデアをカタチにするコミュニティ、セブ島にても引き続きよろしくお願いします!!!

[イベントページ]
https://swtokyo.doorkeeper.jp/events/167138

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