北海道の旭川にて二度目のStartupWeekendが遂に開幕!デザインと動物の街として知られる旭川から、凍てつく寒さを吹き飛ばす熱気あふれるイベントの様子をお届けします!

■概要

日時:2025/12/5(金)~12/07(日)
会場:デザインギャラリー(北海道旭川市宮下通11丁目 蔵囲夢)
参加人数:20名
ファシリテーター:中本 卓利
オーガナイザー:右田 幹・鈴木 のどか・石田 一貴・松本 浩司・藤井 由衣・鳥羽 深雪

【Day1】

雪が降り積もり、冬の始まりを感じる一日から全てがスタート。旭川のみならず、札幌や帯広から参加してきた皆様も多々。まずは会場で特典Tシャツを受け取るところから。鈴木のどか氏によるStartupWeekend×旭川を象徴するデザインです。

受付を終え、次は開幕挨拶へと。リードスポンサーを務められた旭川市役所 大島様、そして旭川市立大学 和田様よりご挨拶をいただきました。

次はいよいよアクションへ。場に集った仲間とのアイスブレイク!そこで用いられたワークは Half Baked。全く異なる二つのキーワードを掛け合わせることで、新しいアイデアの創造して場が温まっていきます。

会場が温まった後、いよいよ本番のアイデアピッチがスタートしました!参加者一人ひとりが、1分間という限られた時間で自身のアイデアを発表していきます。

さまざまな情熱や想いを起点としたアイデアが次々と披露され、会場は大いに盛り上がりました。しかしながら、ピッチの時間はたった一分。だからこそ、お互いのアイデアの詳細をヒアリングする時間がスタートです。

そしてお互いの理解が深まった後は、アイデアへの投票タイム!

そして無事にチームを結成し、今回は見事に五チームが誕生することになりました。しかしながら、結成したからといって、そのまま当初掲げたアイデアが最後まで残るとは限りません。

【Day2】

大雪の中、二日目が開幕!チームに分かれてアイデアをカタチにするため、様々なアクションが始まります。中には埃を取るグッズを購入し、アイデアの仮説検証するところも。

そんな二日目の本番はコーチング。一日目に出来上がったアイデアとチームでアクションを起こすものの、自分たちのアイデアの思い込みは打破できないもの。そこで事業の経験を持つコーチの皆様がご支援に来てくださることとなりました。

<コーチの皆様 ※敬称略> 

・高塚麻紀子 まきむげ代表
・竹村 友杜 株式会社レボルト 代表
・石川 陽介 合同会社しべつデザイン業務執行社員
・大田原 裕希 いろえんぴつ株式会社 代表取締役

様々な質問を通じて、各チームはアイデアを改善する気づきを得ていきました。中には「このアイデアは誰も求めていない!方向転換しないと!」と白紙に戻るところまで。

そしてその後、会場は21時にクローズしたものの、カフェなどに集まって語り合うチームも多々。本当に解決すべき課題とは何か?それを解決する製品やサービスとは何か?それを探し続ける旅路は夜遅くまで続いていきました。

【Day3】

いよいよ最終日がスタート!チームの中には試作設計を進めるところも。また無事に方向性が固まったチームは、どうすればアイデアの可能性を伝えられるのかスライドとひたすら格闘する時間も続きます。

そして午後からはピッチが開幕。三日間の成果を審査員の皆様に全力で伝える時間がやってきました。各チームは、5分間のプレゼンテーションと5分間のQ&Aセッションに臨み、このイベントで得たすべてを審査員にぶつける熱い瞬間の開幕です!

<審査員の皆様(敬称略)>
・本田リエ 株式会社グリーンフォレスト取締役・企画室長
・志水 洸一 美容革命家
・上西一之 稚内信用金庫 常勤理事
・山下 弘純 株式会社旭ダンケ 代表取締役社長

【結果発表】

三位 老いたい

このチームの出発点は、「老いることへの恐怖をなくし、老いをポジティブに捉えられる社会をつくる」という大きなテーマでした。ところが街頭インタビューを進める中で、「年を重ねるにつれて、老いそのものへの恐怖は次第に薄れていく」という事実に直面します。そこで当初の仮説に固執せず、アイデアを大胆に転換した点が印象的でした。

老いというテーマ自体は残しつつ、最終的に狙ったのは、「定年退職後の夫を、いかに自然な形で家の外へと促すか」という、家庭内に根差したリアルな課題です。お芋の農業体験を通じて役割ややりがいを得てもらい、収穫したお芋を家族に還元し、交流が生まれる。そうした循環を設計することで、老後の生活を前向きに豊かにするプラットフォームとしてのピッチに仕上がっていました。

二位 DORA-DUST
静電気を活用して、棚やフィギュアに積もる埃を除去するデバイスを提案したチームです。お気に入りのフィギュアを並べても、気づけば埃をかぶってしまう。一方で、必ずしもショーケースに入れたいわけではなく、棚やデスク周りなど、自由な場所に設置したい。そうした状況で避けて通れない「埃掃除」を、どうすれば楽にできるのか、という課題設定でした。

水は使えない、風で飛ばすのも難しい。そこで「静電気で解決できるのではないか」という発想に至った点が、このチームのユニークさです。審査員からは、「そもそも静電気で本当に埃を十分に吸着・除去できるのか」という、技術的な実証に関する質問が多く出ました。一方で、「埃に悩む愛好家」というターゲットの明確さや、日常的な不便に根差したニーズの確からしさは高く評価されました。今後は、技術的な成立性をどう検証・可視化するかが次の一歩になりますが、課題設定と着眼点の良さが印象に残る提案でした。

一位 爪介

介護施設利用者の爪を、全自動で安全に整える機械というアイデアです。このピッチは、リーダー自身が「爪を切るたびに痛い思いをしてしまう」という、個人的で小さな違和感から始まりました。しかし、そこで思考を止めることなく、「より強い痛みを抱えているのは誰なのか?」という問いを立て、徹底したリサーチを行った結果、介護業界という明確な対象へとたどり着いています。

さらに評価されたのは、仮説で終わらせず、介護事業者へのヒアリングを重ねることで検証を行い、「本当にお金を払ってでも解決したい課題」へと磨き上げていた点です。課題の深さ、検証の粘り強さ、そして社会課題と事業性を両立させる視点が揃っており、優勝にふさわしい完成度の高い提案でした。

こうして三日間のプログラムは無事に幕を閉じ、交流会では、共に駆け抜けた仲間や会場にお越しくださった皆様との対話が自然と広がっていきました。一見すると、ここで大団円を迎えたようにも思えます。しかし、Startup Weekendは単なるイベントではなく、コミュニティです。これは終わりではなく、アイデアが動き出すための起点にすぎません。ここで生まれた問いや出会いを胸に、それぞれの場所で、アイデアをカタチにする旅路はこれからも続いていくはずです。もし道に迷うことがあっても、この場で生まれたつながりが、きっと背中を押してくれるでしょう。

本イベントの開催にあたり、ご協力・ご支援を賜りましたすべての皆様に、心より感謝申し上げます。皆様のお力添えがあったからこそ、この三日間を実りある時間として締めくくることができました。本当にありがとうございました。

【リードスポンサー】
・旭川市 様
・公立大学法人 旭川市立大学 様

【後援】
・旭川医科大学 様
・旭川工業高等専門学校 様
・ノーステック財団(チャレンジフィールド北海道)様
・北海道教育庁上川教育局 様
・一般財団法人旭川産業創造プラザ 様
・STARTUP HOKKAIDO実行委員会 様
・HSFC(北海道未来創造スタートアップ育成相互支援ネットワーク)様

【日本全国・通年スポンサー】
・弥生株式会社 様
・G’s ACADEMY 様
・株式会社eiicon 様

【イベントページ】
https://swasahikawa2nd.peatix.com/

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